「かぜ」全般について
Point!
・ほとんどがウイルスによる感染症です。「かぜ」に抗生剤は効きにくいです。
かぜとは
「かぜ」は、正式には「風邪症候群」といい、鼻やのどに微生物が感染し、咳や鼻汁、くしゃみ、のどの痛み、発熱といった症状を起こします。
原因
その感染する微生物ですが、ほとんどがウイルスで、抗生剤が全く効きません。抗ウイルス薬もありますが、約200種類あるウイルスの中で、ごく一部のウイルス(インフルエンザ、水ぼうそう等)にしか特効薬がありません。
一方で抗生剤が効く細菌感染症の代表的な病気には、「溶連菌感染症」、「とびひ」、「中耳炎」、「副鼻腔炎」、「細菌性肺炎」、「尿路感染症」などがあります。
「かぜ」全般の治療方針
Point!
・ご心配であれば、いつでも受診してください。
・水分が全く取れない、ぐったりしている時は、必ず受診してください。
・熱が5日以上続いたら、必ず受診してください。
かぜのウイルス感染には特効薬がないため、自分の免疫力で治すしかありません。しかし、治るまで、発熱、咳、鼻汁、くしゃみ、下痢や嘔吐などでお子さんは苦しい状態ですので、それらの症状を和らげるお薬を処方いたします。
またお薬も大切ですが、脱水にならないことがとても大事ですので、仮に食事をとれなかったとしても、水分はとらせてください。嘔吐を繰り返しているときは、一気に飲ませると吐いてしまいますので、5分に一口のペースで飲ませて下さい。
「水分が全く取れない」「ぐったりしている」ときは、重症を疑わせる所見ですので、熱がなくても必ず受診してください。逆に、「熱はあるけど、とても元気」であれば、緊急性はグッと下がりますので、お時間のある時にいらしてください。また、熱が5日以上継続しても、受診して頂くよう、よろしくお願いいたします。
解熱剤の使い方について
Point!
・解熱剤は、お子さんが、機嫌が悪い、元気がない、寝苦しそう、食事や水分がとりにくい、時に使いましょう
40℃以上の熱がでて「頭がおかしくなるのではないか?」というご相談をよく頂きます。しかし、高い熱のみで脳が壊れることはありません。
また、熱が高いほど免疫力が高くなるといわれています。ですので、解熱剤は、「熱が高い」+「機嫌が悪い」、「元気がない」、「寝苦しそう」、「食事や水分がとりにくい」ときに使ってみてください。
熱が高いけど、元気に動き回り、ご飯を食べているのであれば、必ずしも使う必要はありません。
また、冷たい氷などをタオルに包んで、首やわきにあててあげるのもいい方法です。
抗生剤について
Point!
・抗生剤は必須の治療ではありません。副作用を起こすこともあります。
前述のように、「かぜ」をひいたときに、抗生剤が効く可能性は低いです。さらに、抗生剤は悪い点がいくつかあります
- 腸内の善玉菌を殺して、下痢をおこしてしまう
- アレルギーやアナフィラキシーを起こす可能性がある
- 薬を飲み切らないと、抗生剤が効きにくくなる細菌(耐性菌)ができる可能性がある
従って、抗生剤は、全員にではなく、お子さんの状況に合わせて処方させていただきます。
登校(園)はいつから?
「症状が収まってから」となっていますが、こどもの風邪は、朝に熱が下がっていても午後から熱が上がることがありますので、最低24時間熱がでないことを確認してからの登校(園)がオススメです。
その他、病気によっては数日間お休みが必要ですのでこちらもご覧になってください。
小児科の疾患などについて