起立性調節障害について
Point!
・昼からは元気だけれど、朝が苦手。
起立性調節障害は自律神経系の異常で、血圧や心拍の調節が上手にできない病気です。小学校高学年~中学校で多く見られ、約1割のお子さんに発症します。「朝起きられない」「立ち上がった時にくらくらする」「昼頃から元気になる」などの症状があれば、疑わしいです。
起立性調節障害の診断
以下に示す起立性調節障害の身体症状が3つ以上、もしくは強い症状が2つ以上あり、鉄欠乏性貧血や心疾患、てんかんなどの神経疾患、内分泌疾患など別の病気でなければ、新起立試験という検査を実施します。午後には症状が回復しているので、午前に受診して頂くとより正確な結果が出ます。
起立性調節障害の身体症状(3つ以上で疑いあり)
- 立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
- 立っていると気持ちが悪くなる、ひどくなると倒れる
- 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
- 少し動くと動悸あるいは息切れがする
- 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
- 顔色が青白い
- 食欲不振
- 腹痛をときどき訴える
- 倦怠あるいは疲れやすい
- 頭痛
- 乗り物に酔いやすい
心身症としての起立性調節障害(OD)(2つ以上で疑いあり)
- 学校を休むと症状が軽減する
- 身体症状が再発・再燃を繰り返す
- 気にかかっていることを言われたりすると症状が増悪する
- 一日のうちでも身体症状の程度が変化する
- 身体的訴えが2つ以上にわたる
- 日によって身体症状が次から次へと変化する
起立性調節障害の治療
血圧をあげる薬や漢方などのお薬を処方しますが、ご家族の理解や生活習慣を整えることも大切です。
一見、怠けているように見えますが、本人はとてもつらく、怒らないようにしてください。そして生活習慣の改善は以下のようになります。
- 昼頃でもいいので無理なく起きられる時間を決めて、毎日その時間に起きる
- 毎日30分程度のウォーキングを行う
- 1日あたり2L前後の水分と塩分10gをとる
- 立ち上がるときは頭を下にしてゆっくり立ち上がる
- できるだけ長時間の起立を避ける
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